モリスはミル系ゲームの総称である。線で描かれた盤上に駒を置き、その線に沿って動かす。印のついた線上に自分の駒が3つ並ぶとミルが成立し、相手の駒を1つ取り除ける。相手の駒を3個未満にすれば勝ちだ。

有名なのはナイン・メンズ・モリスで、30年以上前に解決されている。Ralph Gasserが1993年に強解決し、最善手では引き分けとなること、さらにGévayとDannerが2014年にこの系統全体の拡張解を計算した。

シックス・メンズ・モリスは同じ盤から外周を取り除いたもので、モリスの変種一覧には必ず載っているが、解析論文には出てこない。私はこれを強解決した。到達可能な42,372,745局面すべてで引き分けである。

最善手エクスプローラーを開く → テーブルベース相手に任意の手順を指せる。各手は最善手のもとでの結果によって色分けされ、勝ちは緑、引き分けは灰、負けは赤になる。サイズの切り替えで片側4個、5個、6個を行き来できる。

ゲームの概要

シックス・メンズ・モリスは、2つの同心の正方形を各辺の中点で線で結んだ盤で遊ぶ。点は16個、斜線はない。ナイン・メンズ・モリスの盤から外側の正方形を外した形だ。

シックス・メンズ・モリスの盤:2つの同心の正方形を各辺の中点で結び、点は全部で16個

各プレイヤーは駒を6個持つ。まず配置フェーズで、空いている点に交互に駒を置く。12個すべてを置き終えると移動フェーズが始まり、駒は隣接する空きの点へ動く。印のついた線(どちらかの正方形の辺)上に自分の駒が3つ並ぶとミルになり、成立させると相手の駒のうちミルに入っていないものを1つ取り除ける。ただし相手の駒すべてがミルに入っている場合は例外だ。駒が3個未満になるか、自分の手番で動かせる手がないと負けになる。

解析したのはフライングなしの標準ルールで、駒が3個に減っても1歩ずつしか動けない。フライング(3個の側は任意の空き点へ飛べる)は手のツリーを変えるが、別に解析したところこちらも引き分けなので、どちらの慣習でも結果は成り立つ。

結果

シックス・メンズ・モリスは強解決された。テーブルベースが到達可能なすべての局面の値を保持しているので、序盤だけでなくどの局面からでも最善手が指せる。ゲーム全体にわたって終了局面から逆向きにたどることで構築した。

序盤は引き分けで、先手の初手の配置16通りすべてが引き分けを保つ。

項目
到達可能な局面数 42,372,745
勝ち / 引き分け / 負け(手番側) 23,392,364 / 3,459,385 / 15,520,996

駒数を減らした同じ盤も引き分けである。

片側の駒数 到達可能な局面数 序盤
4 4,111,151 引き分け
5 17,844,721 引き分け
6 42,372,745 引き分け

新規性の主張には範囲がある。初めて公開された解であって、史上初と証明できるわけではない。シックス・メンズ・モリスは学術研究(Gasser 1996、Gévay and Danner 2014)にも、オープンソースのソルバーMalomSanmillにも扱われていない。これらは9個、12個、Lasker Morris、さらにMorabarabaを網羅するが6個は含まない。そこで、信じてもらうのではなく検証してもらうためにテーブルベースソルバーを公開する。

4200万局面すべてがメモリに収まるので、外部ストレージなしでノートPC上で約1分で解析が完了する。独立した3つのソルバーが同じ結果に一致し、4個と5個の変種も整合的に出た。これは、より小さな解決済みモリスが存在すれば得られたはずのクロスチェックにあたる。

注目すべき発見

悪手となる初手は存在しないが、応手が試される。 どの初手の配置も引き分けだが、応手をどれだけ厳しく試すかは異なる。中点に置けば相手の応手15通りすべてが引き分けのままだ。角に置くと15通りのうち8通りが負けになる。外側の角に置いた後の分かれ目は環に沿う。外環の残りは引き分け、内環はすべて負けである。

引き分けは細い水路だ。 ゲームは初手から引き分けだが、引き分け局面は稀である。4200万のうち350万、約8パーセントにすぎない。残りの92パーセントではどちらか一方が既に勝ちか負けだ。

この系統は斜線で分かれる。 シックス・メンズ・モリスはナイン・メンズ・モリスとLasker Morrisに並ぶ引き分けだ。唯一の先手勝ちであるMorabarabaは、斜めのミルを加えた変種である。

ナイン・メンズ・モリスは解決済みか

解決済みで、しかも30年以上前からそうだ。Ralph Gasserがナイン・メンズ・モリスを強解決し、最善手では引き分けとなることを示した。 1993年のETH技術報告で発表され、1996年のGames of No ChanceにSolving Nine Men’s Morrisとしてまとめられた。どちらの年も引用される。1993年が解析、1996年が論文だ。

GévayとDannerはその後2014年に、この系統全体の超強解と拡張解を計算した。オープンソースのソルバーMalomSanmillは9個、12個、Lasker Morrisを扱っている。

シックス・メンズ・モリスが空白だった。それが埋まった今の系統の状況はこうだ。

変種 結果 最初の解決
スリー・メンズ・モリス 先手勝ち 伝承
シックス・メンズ・モリス 引き分け Liou, 2026
ナイン・メンズ・モリス 引き分け Gasser, 1993
Lasker Morris 引き分け Stahlhacke, 2003
Morabaraba 先手勝ち Gévay, 2015

それぞれの構造化された記録は、出典と複雑性の数値とともにsolved-gamesにある。

まとめ

シックス・メンズ・モリスは引き分けで、そのテーブルベースはメモリに収まり丸ごと配布できるほど小さい。だからこそ上のエクスプローラーは解全体をブラウザ内で動かせる。ナイン・メンズ・モリスは数千倍大きく、スライスごとの解析が必要になる。既知の引き分けをゼロから再現することがエンジンの次の目標であり、新しい結果というよりスケーリングの課題だ。

ゼロからの解析で面白い半分は、人に手渡せる半分だ。問い合わせできるテーブルベースと、再実行できるソルバーである。どちらも以下にある。

資料: